旅とアート、ときどきゴルフ

旅行、アート、本などについてをメインに、ときどき初心者のままのゴルフについて、素人目線で綴っていきます

太田市美術館・図書館:開館記念展「未来への狼火」

勝手に進めている北関東シリーズの最終回は、オープンしたばかりの太田市美術館・図書館。そこで開館記念として開催されている「未来への狼火」

今回は、どちらかというと建物を楽しみに訪問しました。建築家・平田晃久が設計を担当した建物は、想像していたより規模は小さいですが、白い外壁と、屋上などに植えられた緑にコントラストが美しいです。建物名どおり、美術館と図書館としての機能に加え、1階にはカフェも併設することでより集客にたけた機能も要しているように感じました。

夕方に訪問したため西日が強くて、全体が入る写真が撮れなかったのが残念ですが、

構造としては、5つの箱型の建物の建ち、その周りをスロープのように外壁が螺旋状がつないでます。
f:id:nnnno12:20170813170432j:image

ですが、恐らく外から全体像を把握するのは難しいです。それより、中の入ると美術館の展示室や図書館の書架をつなぐ形で、階段やスロープでつながれている感じが体感できます。美術館の展示室をでて、歩いていると図書館の書架となっていたり、調べものなどができる机となっていたりと有機的に使用されており、それらが繋がることで、ちょっとした迷路のような感覚に陥ります。
f:id:nnnno12:20170813170513j:image


f:id:nnnno12:20170813170614j:image


f:id:nnnno12:20170813170643j:image

全体的に、太田市、および群馬県出身の作家か太田市にちなんだ作品を集められていました。最近、芸術祭などでよく拝見する淺井裕介さんの作品は、地元太田市の土を利用して描かれた壁画。石内都さんは、両親の出会いが太⽥市創業の企業だったそうで、そのお母さんの遺品を撮影した「motherʼs」シリーズが展示されていたのですが、そこからは土地に根ざしたつながりみたいなものを感じました。

美術館としては、展示スペースが少ないので大型な展示会の開催は難しいと思いますが、この場所、この建物に合った企画展を開催していってほしいと思います。

とはいえ、この建物、太田駅のすぐ目の前に建っているのですが、その駅前の寂れぐらいに、ちょっと驚きました。太田市美術館・図書館以外は何もないぐらい。太田市は、自動車会社スバルの城下町ですから、車社会なんですかね。

折角素敵な施設ができたので、ここを起点に活性していければよいですね。

 

カミナリとアート(群馬県立館林美術館)

北関東シリーズの第3弾として行って来ました群馬県立館林美術館。

広い敷地にゆったりと建てられた贅沢づかいの美術館です。宇都宮美術館も相当広大なスペースでした。この辺りは郊外ならではの特権ですね。
f:id:nnnno12:20170811145149j:image

f:id:nnnno12:20170801080311j:image

さて、開催されていた展示会は「カミナリとアート」。カミナリ???。どんなテーマなんでしょう。
f:id:nnnno12:20170811145217j:image

なんでも群馬県をはじめとする、北関東一帯は夏の雷の多発地帯なんだそう。この地域ならではのテーマなんですね。

 

展示室に入ってまず、鎮座しているのは、川端龍子の『怒る富士』。さすがの迫力。 つい先日、日曜美術館で取り上げられたのを観たばかりだったので、この出逢いは嬉しかったです。続いては、雷や竜巻などの悪天候の写を専門とするストーム・チェイサー、青木豊の作品。実際の雷を撮された写真の臨場感はさることながら、いろんな職業があるもんだと深く感心。

第2章は、いわゆる雷様の寓話された世界。河鍋暁齋『風神雷神図』なども展示されてます。また、雲の上から落としてしまった商売道具を釣り上げようとする雷様を描いた大津絵をモチーフにしたものも多く展示されており、先日ベンチマークしたばかりの福田美蘭さんの作品も、また逢えることとなりここでもうれしい出逢いとなりました。

第3章は、雷から派生して光、電気をテーマにした展示。杉本博司の作品を始め、いくつかの体験型インスタレーションもたのしめます。ここで印象に残ったのが、多和田有希の都市の風景を写した写真に、消しゴムなどで光のような線を描いた作品。その線が、何か見えない念?気?みたいなものを表しているようでした。

 

 

KIGI WORK & FREE (宇都宮美術館)

f:id:nnnno12:20170730222618j:image

 宇都宮美術館で開催されているKIGI WORK &FREE展に行って来ました。

KIGIとは、植原亮輔さんと渡邉良重さんによるクリエイティブユニット。

デザイン会社「DRAFT」から独立した2人の、企業やブランドなどのさまざまなデザインやアートディレクショを始め、オリジナルプロダクトブランドの展開から、滋賀県・琵琶湖の職人たちと共同で立ち上げた「KIKOF」(キコフ)などの仕事(WORK)と宝石と詩とコラボした絵本、インスタレーションなどのプライベートワークの作品(FREE)という2方向の活躍を紹介する展覧会。

 

まず最初の展示室に入ると、展示されているには古書に描かれた蝶を切り抜いて、まるで羽ばたいているように見せる『時間の標本』。そこから、宝石とコラボした絵本など、プリベートワークを中心に展示されている。

さらに、「KIKOF」ブランドから、信楽焼の工房とコラボレーションした陶器シリーズも展示されています。信楽焼というと、狸の置物が、まっさきにイメージしてしまいますが、もちろん狸ではなく、八角形に形どられた器は、ちょっと見た感じプラスチックかアルミニウムでできてるんじゃないかというぐらいの軽さ。

そして、第2展示室には、所狭しと並べられた企業やブランドなどのデザインやアートディレクションの数々。美術館関連のデザインを数多く手がけており、思わず親近感を抱いてしまいます。

もちろん、知っているブランドもあれば、知らないブランドのデザインもあるのですが、それらのデザインの中に一貫した視点みたいなものが感じられました。シンプルでクールだけど、優しい感じ。
f:id:nnnno12:20170801074559j:image
f:id:nnnno12:20170730222713j:image


f:id:nnnno12:20170801074638j:image


f:id:nnnno12:20170801074757j:image

縦一列に並べられた風車に風当てることによって風の形を浮かび上がらせる「風景」


f:id:nnnno12:20170801074824j:image

「DRAFT」のオリジナルのプロダクトブランド「D-BROS」で手掛けたビニール製のフラワーベースを使ったインスタレーション。ミュージアムショップなどでも販売されているのをよく見ます。

個人的には仕事の作品のほうに刺激を受けました。

 

 

2Dプリンターズ(栃木県立美術館)

f:id:nnnno12:20170730100503j:image

宇都宮市にある栃木県立美術館で面白い視点の展覧会が開催されています。ちょっと近くに行く予定に合わせて訪問みました。

展覧会のタイトル『2D(にじげん)プリンターズ/芸術:世界の承認をめぐる闘争について』。

なにやら難しそうですね。この美術館では以前より、美術の位置を科学理論との対比から再考する独自の取り組みを定期的に開催しており、今回はその3回目。(過去2回は未見です)

 

今回の趣旨です。

21世紀の今日、医療分野でも有用性を発揮する3Dプリンターの出現が社会の注目を集めています。

 同時に3Dプリンターというネーミングは、複製芸術を連想させるだけでなく、芸術における自律的価値への疑問を投げかけています。すなわち芸術における有用性の有無という古典的問いの再考をも促しています。

 本展は写真、版画はもとより印刷物、絵画、ドローイング、彫刻など約150点における転写や複製技術、機会化情報などと手仕事とを対比させながら、この今日的問題からアンチ・エスタブリッシュメント時代の美術作品のもつ批評可能性を考察するものです。

 やっぱり難しいです。要は、『複製』というのがテーマなのかなというぐらいにして観賞にはいりました。

 展示は19世紀の銅板画から始まり、分かりやすいところですと、森村泰昌。これはそうそうまさしく複製せすね。あとは、歴代のアメリカ大統領と自身の写真切り貼りした郭徳俊とか、同じくアメリカ大統領をモチーフとした橋本聡とか・・・。こう書いて行くと、複製となるとステートメントにあったようにどこか批評的な要素が強くなるの傾向にあるかもしれません。

他にも、昨年、東京国立近代美術館で観たトーマス・ルフポートレートなども展示されており、全200作品、かなり充実した内容でした。

 

個人的に気になった作品をご紹介。

田中功起のドローイング「世界を救うためのプラン」。彼は、この展覧会でも展示されてますが映像での作品のイメージが強い作家ですが、ドローイングが面白かったです。

上に書いた批評精神というより、地球を取り巻く様々の問題を解決する方法について、荒唐無稽な提案をしてくれてます。そのゆるくて、どこまでも優しい作品に、ひとりニヤニヤが止まりませんでした。

 

そして、最後に福田美蘭。恥ずかしながらこの日まで注意して作品を観たことがなかったのです。

メインビジュアルにも使用されている作品は、「ルノワール“日なたの裸婦”」。タイトルどおりルノアールの絵を模写してるのですが、モデルの表情や色味を変えることによって、いろんな表情を。他にも、最後の晩餐や富嶽36景をモチーフにした作品も展示されていましたが、今後注目したい人にエントリーしました。

 

美術館の狙いを全て汲み取ることまではできませんでしたが、新たな発見もあり実りある展覧会でした。 

 

2017年2月の記録


f:id:nnnno12:20170312083235j:image
備忘録と、思うようにアウトプットができていないジレンマとして2月に訪問した展覧会を記録。

春日大社 千年の至宝展(東京国立博物館)

f:id:nnnno12:20170214074444j:image

奈良の「春日大社」は、 あの藤原氏氏神を祀られるために奈良時代に建てられた歴史ある神社で、古都奈良の文化財」のひとつとして世界遺産にも登録されています

それだけ歴史も由緒もある神社の宝物が勢揃いしていることもあって、国宝、重文がぞろぞろ展示されています。奉納された甲冑、刀、弓矢、槍などは、ほぼどちらかに該当するぐらい。

 

展示は春日大社の成り立ちからスタート。ここの神様は、茨城の鹿島から、鹿に乗ってこの地に舞い降りたそうです。

鹿に乗った神様の姿が描かれた掛け軸も展示されています。

そういえば、神様の姿がこうして正面から描かれているのはめずらしいと思いました。神様とか、やんごとなきお方はだいたい顔を伏せて描かれていることが多いような気がしますが、春日大社の神様はしっかり正面を向いて描かれていました。

ですが、大変失礼ながら、ごく普通の人間の姿ですので、何やら新たに赴任してきた貴族ぐらいにしか思えない。

あと、人を乗せているので仕方ないですが、鹿の身体が逞しすぎて、そこは違和感が少し・・・。

とはいえ、鹿が御神体となっていますので、いろんな絵に鹿が描かれています。

「鹿図屏風」といって、屏風一面に鹿が描かれたものもあります。

余談として、鹿がえがかれている展示に「鹿」マークが付けられているのはこの展覧会ならではものですね。

 前述どおり甲冑、刀、弓矢などが多く展示されています。その時々に奉納されてきた品物です。

個人的には、見た目はなんてことのない(失礼ですが)手箱や桶が、千年の時を経て目の前に置かれているということに思いを馳せると、感激しきりでした。

その反動からか、その後に展示されていた江戸時代に描かれた絵巻が、つい最近のものに思えて、いつも以上に色鮮やかに見えました。月日が持つ力って偉大だ、と再確認。

 

最後に、本展で唯一撮影OKだった灯籠です。

春日大社は灯籠が有名らしいです。

行ったことないので知りませんでしたが。
f:id:nnnno12:20170731152837j:image

 

 

2017年1月の記録

備忘録として、1月に訪問した展覧会を記録。