文人として生きる−浦上玉堂と春琴・秋琴 父子の芸術(千葉市美術館)
千葉市美術館、ここユニークな展覧会が企画されるので、何気によく行く美術館です。
今回は、浦上玉堂という、江戸時代の画家の展覧会です。この時点で「という」と入っていることでおわかりだとおもいますが、事前知識はなしの状態。
千葉方面に用事があったことと、江戸時代の日本画に興味が高まっていたこもあったのですが。
ホームページの解説にあった、もともと武士(それも結構よい家系)だったが、文人になりたくて50歳のときに息子二人をつれて脱藩してしまったという、人生のストーリーに引かれてきてみました。
江戸時代の“脱藩”って大事ですよね。『龍馬がいく』などで出て来るのは、まさに命懸けですから、それを文人になるといって家族を巻き込んで決行してしまうのは、余程変わった人なんだろうなという興味が出てきたという次第です。
さて、展示は、藩士だっところの資料や音楽にも精通していたこともあり、楽器などの展示もされています。
そして、絵に関しては、山水画がメイン。ただ、私のイメージの中の山水画とは違って、かなり独自解釈が入っている感じがしました。
山や岩の描き方が独特。地面から雲のように湧いて出ているような雰囲気。
始めはその自由度に興味津々だったのですが、いかんせん、この山水画がずっと続くんです。
ちょっと区別がつかなくなってしまいました。
そのせいもあって、後半に展示されている、玉堂の息子・春琴の花鳥画が一層好ましく感じました。