旅とアート、ときどきゴルフ

旅行、アート、本などについてをメインに、ときどき初心者のままのゴルフについて、素人目線で綴っていきます

レオナール・フジタとモデルたち(DIC川村美術館)

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DIC川村記念美術館。千葉県の佐倉市、千葉の中心地からちょっと離れたところにある美術館で、大きな庭園も併設されている自然豊かな環境にあります。

コレクションも、レンブランドを始め、モネ、ルノワールピカソから、尾形光琳長谷川等伯などそうそうたる作品を所蔵しており、マーク・ロスコの作品のみが展示されたロスコ・ルームは特に有名です。

さて、今回はレオナール・フジタ藤田嗣治)の展覧会。今年は生誕130年ということもあり、いくつかの展覧会が開催されています。藤田嗣治が好きな私にとってはうれしい限り。当然、府中美術館に続いて訪問してきました。

ma2525.hatenablog.com

府中美術館の藤田嗣治展が、彼の人生を作品を通して振り返っていく構成でしたが、今回の展覧会は彼の絵の「モデル」にスポットをあてています。

エコール・ド・パリ時代に『乳白色の肌』という代名詞があったように、人物画は藤田嗣治にとって重要な部分ですので面白いテーマだと思います。また、彼はその時代のパートナーをモデルとして描いていることもあるので、「モデル」にスポットをあてる=彼の人生を振り返ることにもなるのですが。

初期の作品からその時々のエピソードと一緒に絵を振り返って行きます。

初期の絵は、いわゆる『乳白色の肌』として有名になった画風との大きな違いが興味深いです。

エピソードとしては個人的は、まだ貧乏だった時代のキキとのエピソードが好きでした。あと、パンフレットのイメージにも使われている絵のエピソードもあります。このモデルは貴族の血をひく小説家の女性なのですが、絵を書いている途中で、「私はもっと目が大きくて美人だ」とクレームをつけられて未完に終わったそうです。

そう聞くとなんとなく、藤田が気分のってないのかなと感じたりしました。

 

4つの大きな壁画「ライオンのいる構図」「犬のいる構図」「争闘 I」「争闘 II」もフランスから渡ってきて展示されています。多くの人物、動などが描かれた群像図なのですが、どれも初めて見た作品で、ソフォに座ってゆっくり観賞をすることができました。

ただ、藤田嗣治の作品が人物を描くときに、次第に筋肉が強調されるようになるのですが、個人的にはそれ以前にほうが好みだと再確認しました。

 

本展には、絵以外にも、渡仏したあと、日本に残った最初の奥さんに送っていた手紙、写真、雑誌なども展示されていて、彼の人となりも伺うことができます。特に、手紙には、小さい字でびっしり書かれていて、「やっぱり几帳面なんだ」と、勝手ながら納得させていただきました。

あと、彼の絵が焼き付けられた陶器も展示されていたのですが、これがおしゃれだった。ほしいなと思って、もしかしたらと、観覧後ミュージアムショップに行ったところ、陶器は売っていたんですが、自分がほしいとおもったデザインのものではなかった・・・。非常に残念でした。