春日大社 千年の至宝展(東京国立博物館)
奈良の「春日大社」は、 あの藤原氏を氏神を祀られるために奈良時代に建てられた歴史ある神社で、「古都奈良の文化財」のひとつとして世界遺産にも登録されています。
それだけ歴史も由緒もある神社の宝物が勢揃いしていることもあって、国宝、重文がぞろぞろ展示されています。奉納された甲冑、刀、弓矢、槍などは、ほぼどちらかに該当するぐらい。
展示は春日大社の成り立ちからスタート。ここの神様は、茨城の鹿島から、鹿に乗ってこの地に舞い降りたそうです。
鹿に乗った神様の姿が描かれた掛け軸も展示されています。
そういえば、神様の姿がこうして正面から描かれているのはめずらしいと思いました。神様とか、やんごとなきお方はだいたい顔を伏せて描かれていることが多いような気がしますが、春日大社の神様はしっかり正面を向いて描かれていました。
ですが、大変失礼ながら、ごく普通の人間の姿ですので、何やら新たに赴任してきた貴族ぐらいにしか思えない。
あと、人を乗せているので仕方ないですが、鹿の身体が逞しすぎて、そこは違和感が少し・・・。
とはいえ、鹿が御神体となっていますので、いろんな絵に鹿が描かれています。
「鹿図屏風」といって、屏風一面に鹿が描かれたものもあります。
余談として、鹿がえがかれている展示に「鹿」マークが付けられているのはこの展覧会ならではものですね。
前述どおり甲冑、刀、弓矢などが多く展示されています。その時々に奉納されてきた品物です。
個人的には、見た目はなんてことのない(失礼ですが)手箱や桶が、千年の時を経て目の前に置かれているということに思いを馳せると、感激しきりでした。
その反動からか、その後に展示されていた江戸時代に描かれた絵巻が、つい最近のものに思えて、いつも以上に色鮮やかに見えました。月日が持つ力って偉大だ、と再確認。
最後に、本展で唯一撮影OKだった灯籠です。
春日大社は灯籠が有名らしいです。
行ったことないので知りませんでしたが。