旅とアート、ときどきゴルフ

旅行、アート、本などについてをメインに、ときどき初心者のままのゴルフについて、素人目線で綴っていきます

博物館に初もうで(東京博物館)

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東京博物館で新年の恒例になっている「博物館に初もうで」。今年で14回目の開催とのことですが、今年初めての訪問となりました。

さて、なにはなくとも、新春特別公開されている長谷川等伯の「松林図屏風」。国宝中の国宝とか、水墨画の最高峰とか、あらゆる賞賛の代名詞がつけられている名作。東博に収蔵されていて、毎年、新年のこの時期に限定して公開されているようです。

今回は、ほぼこれを目的にやってきたといっても過言ではありません。

さすがにこの絵の前は一番の人だかりでした。いや〜、来てよかったです。

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展示室に足を踏み入れた瞬間に、その場の空気感まで変えてしまうような圧倒的な存在感。なにか部屋全体が霧につつまれて、何か湿気まで感じたぐらいでした。

絵は、遠くから見ると全体的にぼんやりとしたイメージで見えます。ですが、近づいて筆跡をよく見みてみると、松の葉は一枚一枚がするどく描かれています。それはちょっと荒々しいぐらい、これが意外、こんな筆跡で描かれたものが、どうして遠くから見た時に、あんな霧が立ちこめているような雰囲気になるのでしょう。

そして、手前の松と霧の中の松の描き分けについて。

もちろん水墨画ですので、墨の濃淡で描き分けているのですが、これが目近で凝視をしてもどう描いたかはわかりません。

とにかく人の間をかき分け前へ、後ろへ、右隻へ左隻へ考えられる限りあらゆる角度から観賞。そして、他の作品を観賞した後にも再訪して、何度も目に焼き付けてきました。どの角度で観ても、何度観ても、この空気感を墨の濃淡だけで表現されていることに、ただただ感嘆です。

個人的には、ちょっと離れて見たほうがこの絵の空気感が感じられてお気に入りでした。

一説によると、これは習作だったんじゃないかと言われてるらしく、練習でこの存在感かと圧倒されたり、 本作はどんなんだったんだろうと想いをはせたりと、この絵だけでお腹いっぱいという感じでした。

 

もちろんその他にも、干支にちなんだものや、新春ならではのめでたいものが展示されていました。池大雅の「竹図」、円山応挙の「雪景山水図」から、干支をテーマにした展示室には、当然のように若沖の鶏の絵があったり、有名な日本画の作品が、これだけの作品が出て来るのは、さすがに東博ならではですね。

 

あと、現存する最古の古今和歌集を始め、歌仙図も多く展示されていました。かなり雅な気持ちにさせていただきました。